まちがいだらけの自転車えらび [本]
「まちがいだらけの自転車えらび」 幸福な自転車乗りになるための正しいロードバイクの買いかた
著者:エンゾ・早川 双葉社発行 2008年6月
本のタイトルを見て思わず手にとってしまった。
本書の「はじめにいっておきたいこと」 に、
ときならぬ自転車ブームに、私たちの”楽園”はもはや崩壊寸前である。だからこそ私は、(中略) たちあがったのである。ほうぼうから非難され、恨まれることを承知のうえでこの本を書くのである。(中略) ”自転車えらび”に、くりかえし失敗してしまうことのないように。(中略) さあ。私を信じるか、それとも信じないのか。 この本をレジにもっていくのか、それとも書棚にもどすのか。これはたいへんな運命のわかれ道なのですゾ。 いざ、ご覚悟を! エンゾ・早川
第一章:知識がないのに量販店にロードバイクを買いにいくという愚行
第二章:インターネットで自転車を買うという愚行
第三章:カネガあるのにメーカー完成車を買うという愚行
第四章:体感できない性能にカネをだすという愚行
対談 千葉洋三 x エンゾ・早川
第五章:かっこわるさの本質にいつまでたっても気づかないという愚行
第六章:購入に失敗したがゆえにいつまでもちゃんと乗れないという愚行
第七章:不快であることを自転車のせいにして乗らなくなるという愚行
と、各章のタイトルについて、かなり批判的に自転車業界の現実をおりまぜながら書かれている。
写真は一切無く、文字と所々に著者の挿絵(自転車部品)があるのみ。
自転車店店主として、「幸福な自転車乗り」になるために、自分が本当に良いと思う自転車(フレーム・ホイール・コンポなど)について、ダメなものについては何故ダメなのかについて、詳しく説明されている。
ここまで書くと、各方面から非難され恨まれるのは目に見えている。
そこまでしても、本当に良いものを紹介したい、という強い志は本の内容が真実であれば、すばらしいことである。
中でも興味を持ったのは、最近の自転車フレームは高いがカーボンは良いものとして、自転車雑誌などでも紹介されているが、
対談 千葉洋三 x エンゾ・早川 『安易なるカーボン信仰を撃つ!』 は、全く真逆に近い話で驚いた。
聞いてみると、そうかもしれないと思わされるばかりである。
ただ記事に、一部のメーカーに偏りがあることも、また事実である。
何事においても同じだが、信じる・信じないは読者の自由だが、すべてを信じるのではなく、こんな視点から見ている人もいるのだなあ、ぐらいのおおらかな気持ちでないと最後まで読めない人も多いと思う。
ロードバイクに興味をもったら、まずはじめに読んでおいて損のない本ではないだろうか。
そういう意味では、もっと早くこの本を読んでおくべきであった。
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まちがいだらけの自転車えらび―幸福な自転車乗りになるための正しいロードバイクの買いかた
- 作者: エンゾ早川
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2008/06/20
- メディア: 単行本
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